風光明媚な自然の道を抜けると、十一面観音を祀る荘厳な青峯山正福寺へとたどり着く。
青峯さんの愛称で親しまれる海上安全の祈祷寺「青峯山正福寺(あおのみねさんしょうふくじ)」を目指せば、自ずと伊勢志摩国立公園の海や山の大自然を体感できます。自然林に囲まれた歴史ある青峯の道を歩み、往復約3時間の絶景ハイキングへ出かけましょう。
最大標高 366m | アクセス 電車 車 | 往復距離 7.5km |
駐車場 無料あり | 往復目安 約3時間 | 正福寺 1ヶ所 |
初心者 やや おすすめ | おすすめ 春・秋 |
最大標高 366m | アクセス 電車 車 | 往復距離 7.5km | 駐車場 無料あり | 往復目安 約3時間 | 正福寺 1ヶ所 | 初心者 やや おすすめ | おすすめ 春・秋 |
往復のハイキング距離と標高データ
※.ハイキングルート計測で活用しているYAMAPは、オフラインの山中でも現在地を確認できる登山アプリです。最新のルート状況をはじめ、全国各地の登山情報を網羅しています。詳細はこちらから。
青峯山/天跡山:標高 約336m
青峯山登山口公園から青峯山の絶景ハイキングを徹底案内
スタート地点は青峯山登山口公園(〒517-0042 三重県鳥羽市松尾町950)です。近鉄松尾駅から徒歩9分の場所にありますので、電車でのアクセスも良好ですよ。
注意点としては、周辺にコンビニやトイレがないところ。登山口公園に着く前に、しっかりと事前準備を済ませておこう!
絶景チェックポイント①
絶景チェックポイント②
絶景チェックポイント③
絶景チェックポイント④
加茂川のせせらぎを聴きながら「青峯山登山口公園から青峯山登山口まで」
青峯山登山口公園を出発して、目の前を流れる加茂川の上流方面へ進みます。すると、青峯山登山口への案内看板がありますので案内に従って、青峯山登山口を目指します。
青峯山登山口に到着したら、「伊勢志摩国立公園 近畿遊歩道」の大きな看板があります。これから進む道をしっかりとチェックしておきましょう。青峯山登山道は、ほぼ一本道で看板や標識が設置されていますので迷うことはありません。さぁ、ここから本格的なハイキング開始です!
絶景チェックポイント① 十丁目付近「松尾と鳥羽湾の眺望」
青峯山登山道に一歩、足を踏み入れれば、そこは自然林に囲まれた森の世界。風で揺らめく木々のこすれる音が響き、ヒラヒラと葉が舞う様子から、まるで山がハイカーを迎え入れてくれているように感じます。
しばらく、登りが続きます。標識を見据えながら、しっかりと地面を確認して進んでください。特に苔の生えた岩肌が滑りやすいので、要注意です。
青峯山には見応えのある名物岩が多数、点在しています。看板に記された名前の由来などを読んでから、ぜひ岩を眺めてみてください。長い時を刻んできた岩から、当時の面影を感じとれるかもしれません。
あまかぼうか岩横には上へと続く道があり、登っていくと三角点(169m)があります。
あまかぼうか岩を過ぎれば、緩やかな登りになります。ゆっくりと自分のペースで歩いて行きましょう。
あまかぼうか岩から約3分で、1つ目の絶景チェックポイント 十丁目付近「松尾と鳥羽湾の眺望」にたどり着きました。
ここまで森の中を歩いてきた分、パッと明るく開けた眺望に目を輝かせます。眼下には出発した松尾駅周辺の町並みがあり、奥には鳥羽湾や答志島、さらに奥には南知多の町並みが見えます。
絶景チェックポイント②空海ゆかりの護摩岩(ごまいわ)「巨岩と植物が織りなす神秘」
ここからは約25分程度の登りが続きます。序盤に比べて木漏れ日が差しこむ量が増えて、とても気持ちの良い道です。ただし、落ち葉や枯れ枝、小石などが多いエリアですので、足元をしっかり確認しながら進んでください。
雨上がりや雨の日はぬかるんで歩きにくくなる可能性があります。ご注意ください。
登りを終える頃に出迎えてくれるのが、2つ目の絶景チェックポイント「空海ゆかりの護摩岩(ごまいわ)」です。ここまで「ますきち岩」や「あまかぼうか岩」といった名物岩を見上げてきました。名物岩の中でも「護摩岩(ごまいわ)」の木々や植物に包みこまれた風貌は、とても見応えがあります。
護摩岩の由来は弘法大師(空海)が護摩を焚いたとされる岩です。護摩岩の上で灯をともせば、鳥羽志摩の海上の船から一目で確認できる位置にあります。当時は航行の目印となっていたのかもしれませんね。護摩岩に生えた植物「ヒトツバ」は、まるで髪の毛のようです。陽の光も重なって、護摩岩付近には神秘的な空間が広がっています。深呼吸して息を整えたら、次の絶景チェックポイントを目指しましょう。
絶景チェックポイント③青峯山正福寺大門「見事な彫刻 発見!隠れ伊勢海老の姿」
護摩岩の先へ進んで行くと、登りから一転して下り道に。ふかふかした地面を踏みしめながら、下っていきます。護摩岩から約5分、森を抜けると巨大な建造物が見えてきます。
青峯山正福寺(あおのみねさんしょうふくじ)に到着しました。巨大で歴史を感じさせる建物の風貌はもちろん、標高約260mに建っているということに驚きます。真言宗の古刹である青峯山正福寺は、海上保安の祈願所として知られます。ご本尊では「鯨に乗った観音様」の伝説に登場する黄金の十一面観音菩薩を祀っています。
そして、こちらが3つ目の絶景チェックポイント 青峯山正福寺山門です。
青峯山正福寺山門は文化庁の有形文化財にも指定されていてます。ぜひ、時間をかけて細部をじっくりを鑑賞しましょう。
正福寺の山門は、その立派さから「鳥羽に過ぎたるもの」の一つと言われた。天保13(1842)年、竹中工務店の祖である竹中和泉輔正敏が、的矢の中村九蔵を副棟梁として建てたもので、入母屋造り本瓦葺、三間一戸の楼門で、各部に繊細な立川流の彫刻が施されている。
特に繊細な彫刻の数々は必見です。山門のどこかに「隠れ伊勢海老」の彫刻があります。ぜひ、見つけてみてださい。
青峯山正福寺にはお手洗いがあります。青峯山絶景ハイキングで唯一のお手洗いスポットですので、要チェックです。
海と共にある伊勢志摩に根付く「青峰山信仰」
青峯山の参拝者には漁師さんや海女さん、船に関わる方々が多いのが特徴です。この地域の漁港では、漁船に青地に赤丸が描かれた「青峯山」の青の文字入りの旗が掲げられている光景をよく目にします。
境内を訪れた際にはたくさん飾られている船絵馬にご注目ください。船絵馬には荒れた海の中で神様に祈りを捧げる姿が描かれています。これは、海で危険な状況に陥ったときにこのお寺に祈りを捧げ、無事に助けられたお礼として、絵師にその時の様子を忠実に描いてもらい奉納したものだそうです。
旧暦の1月18日には「御船祭」が行われます。境内には色とりどりの大漁旗がたくさん掲げられ、華やかな雰囲気に包まれます。
絶景チェックポイント④灯明石付近「広大な熊野灘の眺望」
青峯山正福寺大門から最後の絶景チェックポイントまでは、約5分程度です。山奥とはいえ道路ですので、車に注意しましょう。
見るからに絶景が待っている!はやる気持ちを抑えながら、灯明石と書かれた石標識を見つけてください。
お待たせしました!こちらが青峯山絶景ハイキング、最後の絶景ポイント「広大な熊野灘の眺望」に到着しました。
陽当りも良くて、とにかく気持ちが良い景色です。登山道で森林浴を楽しみながら汗を流し、山頂付近では広大な熊野灘の景色を眺めながらランチタイム。そんな青峯山絶景ハイキングプランはいかがですか?
青峯山/天跡山 頂上への道
最後の絶景ポイント「広大な熊野灘の眺望」から、青峯山(天跡山)山頂までは約12分ほどでアクセスできます。
ルートは急な登坂です。青峯山絶景ハイキングの中で最も息があがるルートですので、水分補給を忘れずにゆっくりと自分のペースで進みましょう。
標高 約336mの青峯山(天跡山)山頂に到着しました!ここからは海の景色が見えずとも、山頂まで登ってきた時間はかけがえのないもの。自然に感覚を委ねながら、達成感に浸りましょう。
松尾駅から上之郷駅へと抜けるハイキングルートもあります
本記事で紹介してきました「青峯山登山口公園」を起点として往復するハイキングルート以外にも、近鉄志摩線をうまく活用した「松尾駅から青峯山を登頂して、上之郷駅(または沓掛駅)へと抜ける」ハイキングルートがあります。
例として土日に電車を利用した「青峯山絶景ハイキング」のシミュレーションをしてみますと、
- 9:44 松尾駅着
- 9:53 青峯山登山口公園
- 11:34 青峯山 山頂到着
- 11:45 灯明石付近で軽食
- 13:25 上之郷駅着
- 13:30 上之郷駅発(松尾駅 13:41着)
ハイキング想定時間は3時間46分です。参考にしてください。
青峯山絶景ハイキング ご参考Q&A
登山口公園の周辺に自動販売機はありますか?
ないよ。到着前に水分はしっかり確保してね。
何か注意した方が良い点ってあるのかな。
初夏から秋にかけては、マムシや蜂などの生き物に注意しよう。